とれいゆつばさの引退について

1.はじめに

 みなさんこんにちは。中学1年の○○です。はじめての執筆です。よろしくお願いします。今回はとれいゆ つばさについて書いていきたいと思います。

2.とれいゆ つばさの概要

 まず、とれいゆ つばさとは何かについて説明していきます。とれいゆ つばさとは、2014年7月にデビューした、JR東日本の「のってたのしい列車」です。山形新幹線の福島駅~新庄駅間を走行しています。一部、ツアーの臨時列車で首都圏にくることもあります。JR東日本の「のってたのしい列車」とは、「単なる移動手段ではなく、「乗る」こと自体が旅行の目的となるようなさまざまな楽しみを盛り込んだ列車」です。ですので、車内の内装が豪華だったり、設備が充実していたりします。また、新幹線初のリゾート列車でもあり、車内に足湯があることが特徴です。

 車両は、山形新幹線を走行しているE3系と同じです。しかし、車両のデザインは異なります。通常の山形新幹線の車両は山形の県鳥「おしどり」を、とれいゆ つばさは山形の主峰「月山」をモチーフとしたデザインになっています。

とれいゆ つばさ

3.本題

 先日、JR東日本は、2022年(令和4年)3月をもって「とれいゆ つばさ」の運行を終了することを発表しました。前述したように、とれいゆ つばさは新幹線初の「のってたのしい列車」でしたが、引退により、JR東日本の新幹線からのってたのしい列車がすべて姿を消します。他に存在した新幹線の、のってたのしい列車には、2016年4月29日に運行を開始した「現美新幹線」がありましたが、2020年12月19日に運行を終了しています。そして今回、デビューから7年目のとれいゆ つばさの引退です。2021年11月現在、とれいゆ つばさの後継となる列車の発表はありません。

4.引退の原因

 とれいゆ つばさの引退には主に2つの理由があると考えます。

(1)車両の老朽化

 鉄道車両の部品が製造を中止すると、車両の機器や装置を一新するか、廃車することになります。部品は、列車の走行距離が長くなっていく度に消耗していきます。新幹線は在来線に比べて、高速運転を行い、さらにトンネルを通過時に激しい気圧変化で車体を傷つけることになるので劣化が早まります。在来線の車両が一般に30年から40年程度使われるのに対して、新幹線車両は13年から20年ほどで廃車となってしまいます。とれいゆ つばさは奥羽本線との新在直通運転を行っているため高速運転ができません。さらに、通常の新幹線に比べると運行回数が少なかったです。しかし、車内改装前、秋田新幹線で「こまち」として運行していた影響などもあり、車両の老朽化が進み、20年(2002-2022)での引退になったのだと思います。

(2)新型コロナウイルスの影響

 2020年から世界的に流行した新型コロナウイルス感染症の影響で旅行の需要が減りました。ですから、旅行会社・鉄道会社などさまざまな交通に関わる会社の売り上げが下がっています。とれいゆ つばさを運行するJR東日本も影響を受けています。特に、観光列車の利用客も減少したので、とれいゆ つばさが引退に追い込まれたことも考えられます。


2019年3月期決算説明会 -JR東日本 をもとに作成

https://www.jreast.co.jp/investor/guide/pdf/201903guide1.pdf

2020年3月期決算説明会 -JR東日本 をもとに作成

https://www.jreast.co.jp/investor/guide/pdf/202003guide1.pdf

 上記の資料からわかるように、鉄道運輸収入が、2019年から2020年にかけて全体で639億円減少しています。また、新型コロナウイルスの影響に着目すると、新幹線では305億円、在来線では330億円にも及んでいることがわかります。この資料から、とれいゆ つばさの新型コロナウイルスによる影響は多少あったのではないかと考えられます。

5.引退によるデメリット

 観光列車は、その列車が走る地域の観光資源の広告塔になり、地域活性化などにつながっています。とれいゆ つばさは、山形県の「月山」や「最上川」をコンセプトに取り入れていましたが、引退してしまうと、観光客が山形県の観光名所を訪れたり、実際に見たりする機会が少なくなると考えられます。また、ツアーなども開催していたので、それがなくなってしまうと、運賃収入なども減ってしまうでしょう。

6.今後の展望

 山形県の観光資源を広め、地域の広告塔となるような、とれいゆ つばさにかわる観光列車を導入するのがよいと思います。観光列車は、景観を楽しみつつ、観光地まで行ける一石二鳥の列車ともいえるのでよい方法だと思います。観光列車を存続させるには乗車率を上げる必要があります。そのためには乗車料金を下げ、気軽に乗れるようにした方がよいと思います。とれいゆ つばさの乗車料金は片道大人1人あたり5,030円で、他の「のってたのしい列車」と比べると走行距離が少し短いにも関わらず料金が高いのが現状です。ですから、新しい観光列車を導入する際には乗車料金を抑える必要があると思います。

 実際に、山形新幹線では、2024年春からE8系新幹線車両の導入が発表されています。また、東北新幹線の宇都宮駅~福島駅間において、E5系と併結し時速300km運転を目指します。とれいゆ つばさも車内改造前はE3系秋田新幹線「こまち」として運用されていたので、新型のE8系新幹線も、デビュー後、車内改造がされ、山形県の観光列車として運行される日がくるかもしれません。今後の動向に期待しましょう。

7.まとめ

 とれいゆ つばさの後継となる新型E8系の観光列車をつくる。乗車料金を下げ、誰もが気軽に親しめるような観光列車として存続させる。

8.おわりに

 いかがだったでしょうか?ぜひ、今後、とれいゆ つばさの後継列車などに注目してみてください。はじめての執筆で読みにくい文章だったと思いますが、これから成長していけたらなと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。

9.参考文献

・JR東日本:東日本旅客鉄道株式会社

https://www.jreast.co.jp/

・乗りものニュース

https://trafficnews.jp/

・山形県ホームページ

https://www.pref.yamagata.jp/


おことわり:Web公開のため一部表現を変更させていただきました。掲載されている情報は研究公開当時のものです。現在とは若干異なる場合があります。

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