武蔵野線について考える

1.はじめに

 こんにちは。中学2年の**です。よろしくお願いします。

 今回は、JR武蔵野線について研究していきます。

2.武蔵野線の開通について

 武蔵野線は、神奈川県の鶴見駅から、府中本町駅、西国分寺駅、南浦和駅、新松戸駅を経由して西船橋駅に至る路線です。車両は205系(0番台、5000番台)、209系、E231系を使用しています。また、205系はE231系や209系によって置き換えが進んでいます。京葉線にも直通していて、西船橋駅から市川塩浜・東京方面、南船橋・海浜幕張方面に直通する列車があります。また、武蔵野線は貨物線として開業した経緯があります。どのような経緯で開業したかを説明します。


置き換えが進む205系


武蔵野線の209系

 武蔵野線が開業する以前、東京圏の貨物を束ねていた山手貨物線の輸送力が限界となり、その救済のために武蔵野線の計画がされました。計画上は、現在の武蔵野線よりも東京寄りを通るように計画していました(半径約20㎞範囲)が、用地不足のため、半径約30㎞範囲に拡大されました。また、半径30㎞範囲でも住宅街となっている地域もあり、そのような地域では長いトンネルがあります。

 なお、鶴見駅~府中本町駅の区間は、旅客化されていません。この研究では、特別な断りがない限り、「武蔵野線」は府中本町駅~西船橋駅の区間をさすことにします。

3.武蔵野線の特徴と問題について

 武蔵野線を、JR東日本の指定した、他社との乗り換え駅を多く持つ路線の「東京メガループ」になっています (ほかの指定路線は横浜線、南武線、京葉線)。また、他のJR線にも多く接続しています。次の表に武蔵野線の乗り換え駅と乗り換えられる路線をまとめました。


 このように、武蔵野線は様々な路線と乗り換えができるので、非常に便利な路線であるのですが、上の表の中の路線には速達種別(有料列車を除く)が停車しない駅もあります。そのような駅を下にまとめました。

 ここから、私鉄路線よりも、JR自社線の通過列車が多いといえます。また、私鉄路線はその路線の速達種別に通過の意図を待たせているということもあるので、ここではJR線の改善について考えていきます。

4.改善の必要性の高い路線の選別

 先ほどの表に出てきたJR線で、改善の必要性の高い路線について考えていきます。

 武蔵野線に合わせてダイヤを組んで、利便性を上げることも大事ですが、乗り換え駅自体の利用者数が少ないと、あまり乗客がいないにもかかわらず、スピード重視の速達種別を止めなければならなくなるので、まず、利用者数の観点から考えます。次の表をご覧ください。なお、特別な断りがない限り、乗車人員のデータは2017年度のものになっています。


 ここから、西船橋駅の利用者数がずば抜けていることがわかります。西船橋駅は千葉県では船橋駅(139,109人)に次いで第2位、武蔵野線の中では第1位です。また、新松戸駅は利用者数が増加傾向にあります。


新松戸駅の利用者数推移 増加傾向にある 単位:人

次に、利用者数以外の観点からみていきます。

①西国分寺駅

 まず、中央線との乗り換え駅である西国分寺駅です。この駅には、中央線の快速と、早朝深夜に運行される各駅停車のみが停車します。この駅に、中央特快などの上位種別を停車させる必要性はあるのでしょうか?

 おそらく、その必要性はないと思われます。なぜなら、東京方面は隣の国分寺駅で上位種別に乗り換えられることが多く(そうでない列車も三鷹駅で接続します)、高尾方面は通勤特快(通勤特快は東京方面のみしか運行されていません)以外は立川駅から先は各駅に停車するため、速達種別と快速・各駅停車の所要時間はあまり変わらないと考えられます。よって、この駅に中央線の速達種別を停車させる必要性はないと思われます。

② 南浦和駅

 南浦和駅は、武蔵野線のほかに京浜東北線が停車します。また、京浜東北線は始発列車も多く設定されています。そのため、僕はこの駅に上野東京ライン、湘南新宿ラインを停車させる必要性はないと思います。

 また、京浜東北線の駅であり、南浦和駅より利用者数の多い川口駅(1日84,231人 2017年)は、上野東京ライン、湘南新宿ラインの停車を求めていますが、JR東日本は、用地はあるが、上野東京ライン、湘南新宿ラインの停車駅の増加により、所要時間が増加するということで、停車させることに難色を示しています。そのため、南浦和駅に上野東京ライン、湘南新宿ラインが停車することは厳しいと思われます。

③ 新松戸駅

 新松戸駅は、武蔵野線のほかに常磐線各駅停車が停車します。当駅は快速電車の停車駅の柏駅、松戸駅から距離があり、快速線や取手駅以北の区間を利用する人には他の乗り換え駅より不便になっています。よって、新松戸駅には常磐快速線を停車させるべきだと思われます。

④ 西船橋駅

 この駅は、JRでは総武線各駅停車と武蔵野線が停車するほかに、私鉄は東京メトロ、東葉高速鉄道も乗り入れていて、ターミナル駅となっています。しかし、総武快速線は通過します。隣に快速線が停車する船橋駅がありますが、利用者数はあまり変わらないので、西船橋駅に総武快速線を止めてもいいといえます。

 次に、複々線となっている駅について、用地があるかないかを見ていきます。上の4駅の中、複々線区間にある駅は、南浦和駅、新松戸駅、西船橋駅です。南浦和駅と新松戸駅は周辺が住宅地で、用地がありません。西船橋駅も周辺が住宅地となっていますが、下の写真のように、しっかりと用地があります。


西船橋駅の快速線の線路 上り線と下り線の間に2本分の柱が入るほどの余裕があります

 これまでに見てきたことを表にまとめました。なお、その観点において、速達列車を止める必要性・可能か不可能かを○・△・×の三段階で示しました。


 この結果より、西船橋駅についてより深く考えていきます。

5.西船橋駅について

 需要も用地もある西船橋駅ですが、総武快速線・総武線各駅停車・地下鉄東西線はいずれも混んでいます。次の表は混雑率ランキングが上位の10路線ですが、この3路線のうち、2路線が上位2位ランクインしています。総武快速線も、この表の次の11位に入っています(混雑率:181%、区間:新小岩駅→錦糸町駅)。


 これによって現在総武線各駅停車に乗っていた乗客が総武快速線に殺到する可能性があります。実際、JR東日本は過去に西船橋駅に総武快速線を停車させる計画がありましたが、このことが原因でこの計画は凍結しています。これを防ぐ方法として、①通勤時間は全列車通過②一部列車のみ停車③増発が考えられますが、①は利便性の向上があまり見込めず、②は西船橋駅で乗り換えるはずの乗客が通過してしまったり、西船橋駅に停車する列車とそうでない列車の間隔が詰まったり広がったりすることがあります。③はすでに過密になっているので、不可能です。せめてやるのであるのなら、①でしょうか。

 また、データイムも、現在駅構内が狭いことから、常に混雑しています。この対策として、駅舎の拡大が考えられますが、東西線は当駅止まりで、東葉高速鉄道線、総武線各駅停車に直通する列車以外は折り返すだけなので、直通列車用や必要最低限度の設備まで縮小し、余ったところを建設用地に使用すればいいと思われます。留置線もありますが、他の駅のものを利用すればいいと思います。

6.まとめ

 武蔵野線の利便性向上に、西船橋駅に総武快速線を停車させ、また、総武快速線の混雑悪化を防ぐため、通勤時間は総武快速線の列車は全列車通過にすべきだと思います。

7.おわりに

 なかなか難しい内容を選んでしまったこともあって、わかりにくかったと思います。次回の研究は今回よりもいい内容が書けるように頑張ります。最後までお読みいただきありがとうございました。

8.参考

書籍

高松良晴著「東京の鉄道ネットワークはこう作られた 東京を大東京に変えた五方面作戦」 (交通新聞社)

ホームページ

JR東日本公式ホームページ

https://www.jreast.co.jp/

埼玉県公式ホームページ

https://www.pref.saitama.lg.jp/

浅野学園鉃道研究部 『停車場』アーカイブ

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