JR千歳線の将来

1.はじめに

 こんにちは、**です。最近研究テーマの場所が関東地方からどんどん遠ざかっている気がしますが、今回はとうとう本州から飛び出して北海道のJR千歳線について書いていきたいと思います。私は今年の春に初めて北海道に旅行に行ったこともあり(詳しくは旅行記のほうも参考にしてください)、今かなり興味があるので内容の濃い研究を目指して頑張ります。最後までお読みいただけたら幸いです。

2.JR北海道の主な改正内容

 2018年の4月末から5月初めにかけて、北海道新聞などでJR北海道の今後についていくつかの話題が報じられました。その主な内容は以下の通りです。

①石北本線・宗谷本線において無人駅34駅(内訳:石北本線5駅、宗谷本線29駅)を廃止へ
②石北本線・宗谷本線において通行量の少ない踏切計89か所を廃止・撤去へ
③北広島市に新設される複合型施設へのアクセスを想定した新駅設置案

④新千歳空港駅付近の配線の抜本的な改良

 ではそれぞれの具体的な内容を詳しく見ていきましょう。

 まず①②についてですが、近年JR北海道は維持費などの削減を目的として駅や踏切の廃止を行っています。駅の廃止の基準は「過去5年間で1日あたりの平均の利用者数が3人未満」、踏切の廃止の基準は「1日あたりの車両の通行量が50台未満で、かつ5km以内に迂回路がある」で、他の路線でもこの基準をもとに駅や踏切が廃止されるでしょう。2018年3月23日にはJR石勝線新夕張駅~夕張駅間が、同年5月16日にはJR札沼線北海道医療大学前駅~新十津川駅間が廃止されることがそれぞれ決定されるなど、区間単位での廃止も進んでいます。

 続いて③についてです。2018年3月26日に、プロ野球球団の北海道日本ハムファイターズの本拠地が北海道北広島市に移転することが決定しました。現在の「きたひろしま総合運動公園」の場所に、新たなドームとホテルや温浴施設、レストラン、公園などが設置され、「ボールパーク」と呼ばれる複合型商業施設が誕生する予定です。新たな球場は千歳線の沿線にあり、最寄りの北広島駅からは約1.5km離れているため、北広島市は千歳線への新駅設置を要望しています。それに対してJR北海道も協力するとしていますが、これにはいくつかの課題(後述)があるのが現状です。

 そして④の配線の改良ですが、これは新千歳空港駅から苫小牧駅・帯広駅方面に直通できるようにするというものです。現在は新千歳空港駅の1駅北にある南千歳駅で札幌駅方面と新千歳空港駅方面と苫小牧駅方面と帯広駅方面の線路が集結している形であり、苫小牧駅・帯広駅方面から新千歳空港駅へ行く場合は南千歳駅でスイッチバックしないといけない問題点があります。この計画では千歳線の本線を新千歳空港駅経由に変更し、さらに新千歳空港駅から帯広駅方面への線路を分岐させることで、苫小牧駅・帯広駅方面からスイッチバックせずに新千歳空港駅へ向かうことができるようになり、新千歳空港へのアクセスが良くなります。ただしこちらもいくつかの課題(こちらも後述)が存在しています。

 今回の研究では千歳線にも関わる③④のニュースを主に取り扱っていきます。

3.JR千歳線とは?

 そもそもJR千歳線とはどのような路線であるのかを紹介します。

 千歳線は白石駅から沼ノ端駅までの本線と南千歳駅から新千歳空港駅までの支線からなっています。本線については、札幌駅から南千歳駅を経由して苫小牧駅までを結ぶと考えていただくとわかりやすいと思います。新千歳空港へのアクセス線や札幌と道南・道東地域を結ぶ幹線、札幌と道内各地・本州を結ぶ貨物列車の物流ルート、札幌圏の通勤路線など、さまざまな役割を担っておりJR北海道の中でも特に重要な路線の1つとなっています。


JR千歳線路線図(△は一部列車のみ停車です)

 千歳線を通る主な列車としては普通列車・貨物列車のほかに札幌方面と新千歳空港を結ぶ「快速エアポート」、札幌と道南の苫小牧・室蘭・函館などの主要都市を結ぶ「特急スーパー北斗」・「特急すずらん」、札幌と道東の帯広・釧路などの主要都市を結ぶ「特急スーパーおおぞら」・「特急スーパーとかち」が運行されており、特に南千歳駅以北はかなりの過密ダイヤとなっています。


↑空港アクセスを担う「快速エアポート」

↑札幌駅と函館駅を結ぶ「特急スーパー北斗」

 ちなみに苫小牧駅・帯広駅方面と新千歳空港駅方面を南千歳駅で乗り継ぐ場合は一部列車を除いて対面乗り換えできるようになっています。

 また千歳線の問題点として過密ダイヤであるために増発するのが難しい点の他に、快速エアポートが慢性的に混雑しているという点があります。6両編成で運転されている快速エアポートが混雑している一方で、3両編成で運転されている普通列車はかなり空いている場合が多いです。実際に春に北海道を訪れたときにも、快速エアポートと普通列車の混雑率の差がかなりあるように感じました。ですが全ての区間で混んでいるわけではなく、北広島駅・恵庭駅・千歳駅などの途中駅での乗降が多いのが特徴です。また、普通列車はたいてい北広島駅で快速エアポートの待避を行うこともあり、北広島駅以南の各駅と札幌駅を移動する乗客のほとんどが快速エアポートに集中しているのが現状です。

4.JR北海道の現状

 北広島市の新駅設置や新千歳空港駅の改良など、前向きな話題も多いJR北海道ですが、実際にはさまざまな厳しい現状があります。JR北海道について、大きく分けて2つの問題点を挙げていきます。

(ⅰ)財政面

 まずはこちらの表をご覧ください。こちらはJR北海道グループとJR北海道の直近2年間の決算額を表したものです。△はマイナス、つまり赤字であることを意味します。(単位:億円)




↑JR北海道グループ(左)・JR北海道(右)の直近2年間の決算額(参考:北海道旅客鉄道HP)

 収益ってなに?利益ってどういうこと?という方のために簡単に言うと、利益とは「儲け額」のことを指し、「利益=売った値段―仕入れた値段」と考えていただければよいと思います。つまり、会社の利益がプラスであればその会社は黒字、マイナスであれば赤字であるということです。

 今回はこの中の「営業利益」にポイントをあてていきます。営業利益とは大まかに「本業で稼いだ利益」のことを指します。つまり「JR北海道の営業利益」≒「JR北海道が鉄道事業で稼いだ利益」ということです。

 では、実際の利益はどれほどでしょうか?表を見てみると、昨年度のJR北海道の営業利益は約525億円の赤字です。また、JR北海道グループでもJR北海道でも、平成29年度のほうが前年度よりも赤字額が増えていることがわかります。ちなみにJR北海道グループとは、JR北海道のほかにその子会社が運営している不動産事業やホテル事業の決算額もまとめたものです。JR北海道よりは赤字額が小さいことから、鉄道事業以外で赤字額を少しカバーしていることがわかります。ちなみにJRグループの中で最も利益を稼いでいるJR東日本は昨年度の運輸事業で約3342億円の黒字を出しています。

 このようにJR北海道は赤字を抱えており、さらに年々赤字額が増えていることから、経営状況はよくないことがわかります。よって膨大な建設費がかかるボールパーク付近の新駅設置や新千歳空港駅付近の改良工事も、国や自治体と予算の兼ね合いをしながら慎重に進めていく必要があります。

(ⅱ)安全管理・経営管理面

 JR北海道では2011年ごろから安全や経営面での不祥事が頻発しているという現状があります。例えば2011年5月27日に「特急スーパーおおぞら14号」で起こった脱線火災事故や、同年6月10日に発生した居眠り運転、その後も同月15日に発生した石勝線での信号故障など次々に安全面での問題が報告されているほか、2か月に渡る社長不在という異常事態や保線データの改ざんなど経営面でも問題が発生しています。これに対してJR北海道も保線改良や安全対策の強化を2016年度ごろから積極的に行っていますが、この安全投資によって事業費が増加しているのでさらに経営が圧迫されています。

5.ボールパーク新設に伴う新駅設置

 ではJR千歳線とJR北海道についての現状がある程度分かったところで、そろそろ本題へ移っていきましょう。まずはボールパーク新設に伴う新駅設置案です(以下「ボールパーク新駅」と表記します)。メリットと課題点などについて考察していきます。

(ⅰ)メリット

 ボールパーク開設による1番大きなメリットとして挙げられることは、やはり利用客の増加によりJR北海道の収入が増加することでしょう。新しいボールパークのドームは3万~3万5000人収容できるものとなっており、ドームが満員になるとそのうち1万人前後、つまり全体の3分の1程度の人がボールパークまでのアクセスにJR千歳線を使用すると想定されています。

 ではどのくらいの収入増加になるのか試算してみましょう。2016年度における札幌ドームの北海道日本ハムファイターズの試合の観客動員数は約208万人です。ボールパーク開設後もこの人数の人がボールパークに来場すると考えると、約70万人がJR千歳線を利用することになります。例えば札幌駅から北広島駅までの運賃は片道450円、往復900円ですので、年間約70万人が札幌からボールパークまで新たに移動すると考えると年におよそ6億3000万円の収入増加になるというわけです。JR北海道の赤字を解消するには遠く及びませんが、それでも収入増加の足しにはなるのではないでしょうか。

(ⅱ)問題点

 問題点は主に2点あります。まずは予算面の問題です。新駅設置などに伴う総工事費は100億円ほどかかるとされています。ですがこの新駅設置は北広島市が要望していることなので、ある程度の補助金は出るだろうと考えられます。どれだけ補助金を出すかが今後大きく議論されるでしょう。

 そしてもう1つの問題点は、これ以上電車の本数が増やせない、というものです。正確に言うと、「現在のJR千歳線の本線上に新駅を設置しても、現在より多くの本数の電車は走らせることができない」ということです。

 もう少しわかりやすく解説します。もしも、今のダイヤのままボールパーク新駅を設置するとどうなるでしょうか…。球場が満員御礼になるほどの試合が行われる時などは特に、電車の混雑がひどくなるでしょう。現在もかなり混んでいる快速エアポートのみならず、比較的空いている普通電車でも3両編成だと輸送力に限界があり、ひどく混むでしょう。それどころか、電車が混雑するだけではなく、駅で入場制限が起こる可能性があります。

そのため、試合が開催されるときなどは電車の増発が必要です。ですが、現在のJR千歳線では容易に増発することができません。

先に紹介した通り、JR千歳線にはたくさんの列車が走っています。試合が開催される時は、ボールパーク新駅のホームは多くの人で溢れかえり、乗り降りに時間がかかります。そのため、駅で長時間停車する必要があります。ですが、そうすると後ろの電車が詰まってしまうのです。

 この問題点を解決する方法として2つの案が挙げられます。1つは千歳線の本線から新たに引き込み線を分岐させ、そこに新駅を設置する方法で、もう1つは北広島駅にホームを増設する方法です。前者の場合、長時間停車が容易にできるほか、札幌駅方面からボールパークへ向かう客と北広島駅以遠へ向かう客を分散させることができます。また、ボールパーク新駅発着の電車を既存のダイヤの中に設定すれば良いので、ダイヤの作成が比較的楽であり、運用の効率も良いでしょう。


↑引き込み線にボールパーク新駅のホームを設けた場合の配線図

 一方で後者の場合は工事費を安く抑えることができます。前者は引き込み線を作る際に、既存の本線を立体交差してまたぐ必要があり、工事費がかなりかかりますが、後者の場合はホームを2面作るだけで済みます。しかしホームが増えるので乗降にかかる時間はある程度は短縮可能ですが、後者の場合、北広島駅からボールパークまでを徒歩などで移動しなければいけません。距離は1.5kmほどあり、徒歩20分ほどかかるので、試合開催時にたくさんの人が歩かなければならないことを考えると少し非現実的な面もあります。

 以上のことから、私はボールパークへの新駅設置は引き上げ線を設ける形での設置が一番妥当だと考えます。

6.新千歳空港駅の配線の改良

 現在、新千歳空港駅へのアクセスは札幌方面からを除いてはあまり良いものではありません。そこでどの路線からのアクセスも良くしようというのが今回の計画の内容です。

 そもそも「なんで今のような路線体系になっているんだ!はじめからすべての路線へのアクセスが良いように作ればよかったじゃないか!」と思うかもしれません。私も研究を書く前は同じように思っていました。ですが実は、20数年ほど前までは、理想的な路線体系になっていたのです。「え?どういうこと?」と思われるでしょうが、今の新千歳空港駅ができたのは1992年で、それまでは今の南千歳駅が空港へのアクセスを担う駅だったのです。昔は千歳空港の利用客も今ほど多くなく、空港の設備自体も小さいものでした。それが時代が経つにつれて千歳空港の重要度が増し、設備拡張が必要ということで、現在の場所に移設、それに伴い南千歳駅~新千歳空港駅間の区間が誕生したのです。

そして今また、昔のようにアクセスを良くしようとしているということです。

 この計画としては、現在の南千歳駅~新千歳空港駅間を複線化し、また新千歳空港駅から植苗駅・追分駅方面への地下新線を作るというものです。ちなみに新千歳空港駅は2面4線化され、このうち中2線は札幌駅方面と新千歳空港駅を結ぶ列車専用となる見込みです。これによって色々な都市から新千歳空港駅まで乗り換えなしで行くことができます。事業費は1000億円で、早ければ2022年に完成するということです。果たしてどうやって1000億円を用意するのかですが、現時点では国土交通省の予算でどうにかしろ、と財務省から言われているのみで、まだ詳細は不明なので今回の研究では予算面についてはほとんど述べないこととします。

↑南千歳駅・新千歳空港駅付近の現在の配線図


↑配線改良後の南千歳駅・新千歳空港駅付近の配線図

 今回のこの計画が完成すると、JR千歳線のダイヤは大きく変わるでしょう。現に、JR北海道は新千歳空港駅の利用客増加の影響により、快速エアポートの運行本数を現行の日中毎時4本から毎時5本にすると発表しています。また、各方面への特急列車の需要も現在より増えるでしょう。ではどのように変わっていくのか、私なりの考察をまとめていきたいと思います。

7.今後の千歳線の運行形態

 ボールパークの新駅設置や新千歳空港駅の配線改良、また北海道新幹線の開業や訪日外国人の増加により、今後千歳線は大きく変わるだろうと考えます。また、現在の快速エアポートと普通の乗車率の差も改善する必要があると考えます。ここからはそれが具体的にどういったものになるのか、またそのダイヤなどを考察していきます。

 大きく分けて、札幌圏内の輸送形態(ボールパークへのアクセスなど)と広域の輸送形態の2つの面から見ていきたいと思います。

 そもそも現在の千歳線のダイヤはどうなっているのでしょうか?例として、札幌駅を平日の11時~13時に発車する千歳線の上り列車の時刻表を紹介します。


【JR千歳線時刻表 平日 上り】 ※札幌駅を11時~13時に発車する列車

 まず特急列車ですが、札幌駅と函館駅を結ぶ特急スーパー北斗が毎時1本程度、札幌駅と東室蘭駅(一部は東室蘭駅から普通列車として室蘭駅)を結ぶ特急すずらんが1日に6本、札幌駅と釧路駅・帯広駅を結ぶ特急スーパーおおぞら・スーパーとかちが1日に11本走っています。特にスーパー北斗は乗車率が高く、以前平日の日中に苫小牧駅から札幌駅まで自由席に乗車した時も満席で立ち客が多くいるほどでした。

 続いて快速エアポートは日中毎時4本の運行となっています。このうち2本は札幌駅止まりで、もう2本は函館本線の小樽駅まで運行しています。また快速エアポートは「uシート」というものを連結しています。この「uシート」は関東でいえば東海道線の普通列車のグリーン車にあたるものです。追加料金520円で快適なシートに必ず座れるということで、たくさんの人が利用しています。

 また、普通列車が毎時3本程度運転されています。このうち上り列車は毎時1本程度が苫小牧行き、残りは千歳行きで運行しています。

 さらに、千歳線では数多くの貨物列車が走っています。札幌貨物ターミナルを発車する貨物列車は本州方面に1日18本、帯広貨物駅・釧路貨物駅に1日6本の貨物列車が運行されています。また、滝川駅方面に1日3本が運行されています。今回は千歳線の大部分を走行する本州方面と帯広・釧路方面の貨物列車について考察します。

(Ⅰ)近距離輸送

 千歳線は前述した通り、札幌圏の通勤路線・新千歳空港へのアクセス線という2つの役割を持っています。それに加えて今後はボールパークへのアクセス路線としての機能も持つことになります。

 また、千歳線内での問題として挙げられるのが快速エアポートの混雑です。夕方のラッシュ時では札幌駅を発車する快速エアポートは特に混雑しています。ただ、この混雑には特徴があり、上り列車の混雑は北広島駅で解消される場合が多いのです。この理由としては北広島駅で快速と普通列車が緩急接続を行っており、北広島駅以南の普通列車しか停車しない駅の利用者も快速エアポートを利用するためです。

 この問題の解決策として私が考えたのは、区間快速列車の新設です。この種別は札幌駅から北広島駅まで快速運転を行い、北広島駅より南は各駅に停車するというものです。そして、この区間快速を後続の快速エアポートよりも先に終点まで到着させることで、北広島駅以南の普通列車しか止まらない駅の利用者は区間快速を利用することになり、快速停車駅の利用者との間で棲み分けを図ることができます。

 また、ボールパークの新駅についてですが、引き込み線を作って駅を新設するのではなく、本線の両側に待避線を作り、そこにホームを設置するのが良いと考えます。そして、ボールパーク新駅には普通列車のみを停車させます。日中は普通列車が空いているので、ボールパークの利用者には普通列車を使ってもらうことで快速や区間快速の混雑を防ぐことができます。また、試合などがあるときには快速や区間快速を臨時停車させ、普通列車を現行の3両編成から6両編成にすればよいと思います。

↑本線の両側に待避線を作った場合のボールパーク新駅の配線図

 以上を踏まえて、日中の運行形態としては次のようになります。

1.札幌駅~新千歳空港駅間の快速を毎時3本(停車駅は現行の快速エアポートと同様)
2.札幌駅~千歳駅・新千歳空港駅・苫小牧駅間の区間快速を毎時1本ずつ
(停車駅は北広島駅以北の快速エアポート停車駅と北広島駅以南の各駅)
3.札幌駅~北広島駅間の普通を毎時3本(普段はボールパーク新駅には普通のみが停車)

 北広島駅で区間快速と普通が接続することで途中駅同士の利用も容易に可能になります。また、現在運行されている石勝線の千歳駅発着の普通列車は千歳駅で千歳駅発着の区間快速と接続すればよいでしょう。また、札幌駅から新千歳空港駅までの有効本数も現在の計画通りの5本となります。

(Ⅱ)広域輸送

 こちらは、主に特急列車や貨物列車の運行形態についてです。まず特急列車ですが、将来的には、2035年までに北海道新幹線が札幌駅まで延伸開通する予定です。そうすると、現在の函館本線の函館駅~小樽駅間は新幹線のルートに重複するため第三セクターに移管される予定です。そうなると、スーパー北斗は函館駅まで運行されない可能性が非常に高くなります。この件に関して私はこのようにすればよいと思います。それは、札幌駅から室蘭駅・長万部駅までの特急列車を合わせて毎時1本運行させるというものです。東室蘭駅~札幌駅間は現在とても需要が多く、新幹線開業後も毎時1本は必要になります。また、東室蘭駅~長万部駅間には道内有数の観光地である洞爺湖などがあることから長万部駅までもある程度は走らせる必要があるでしょう。

 また、スーパーとかち・おおぞらは現在1日に11本運行されており、貨物列車も1日に24本運行されていることから、1時間に3本は特急列車・貨物列車用のスジを用意する必要があります。ちなみに千歳線を走る貨物列車は最高速度が110kmとされているため、千歳線内では特急列車のスジで大丈夫であると考えました。


↑スーパーおおぞらなどで使われるキハ283系


↑札幌と本州を結ぶ貨物列車

 というわけで、今まで述べたことをもとに改善ダイヤの一例を作ってみました。


↑改善後 【JR千歳線時刻表 平日 上り】 ※札幌駅を11時~12時過ぎに発車する列車

 新千歳空港駅の配線改良後は南千歳駅の乗換駅としての役割がなくなるため、特急列車は南千歳駅を通過としました。

 また、改善ダイヤにおける停車駅は以下の通りです。


↑JR千歳線の改善ダイヤの停車駅 (△は一部列車のみ停車です)

8.さいごに

 今回は千歳線についていろいろと考えてきました。研究し終えて思ったこととしては、思った以上に千歳線は今後変化を遂げていく、ということでしょうか。今後の動向にも気になりますし、実際どんなダイヤになるのか今からすごく気になっています。

 そしてこの文化祭号が終わるとあと研究を書くのは3回しかありません。時が経つのは早いですね。残り一年、もっと質の良い研究が書けるようにがんばります!では最後になりましたが、校閲をしてくださった先生や先輩方、クオリティが高い路線図を作成してくれた友人、最後まで読んでいただいた読者のみなさんへ

ありがとうございました!

 では旅行記でまたお会いしましょう!

9.参考資料

・JR北海道

https://www.jrhokkaido.co.jp/

・北海道新聞

https://www.hokkaido-np.co.jp/

・日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28584170W8A320C1EA1000/

・マイナビニュース

https://news.mynavi.jp

・プロ野球Freak

https://baseball-freak.com/audience/16/fighters.html


※おことわり

Web公開のため一部表現を変更させていただきました

また、掲載されている情報は研究公開当時のものです。現在とはとは多少異なる場合があります。

浅野学園鉃道研究部 『停車場』アーカイブ

浅野学園の鉃道研究部が発行する部誌『停車場』のアーカイブサイトです。過去に発行された『停車場』を自由に閲覧することが出来ます。

0コメント

  • 1000 / 1000