1.前置き
どうも、高校一年のWYです。気が付けば研究を出す機会も今回を含め3回となり、歳を取ったことを実感しています。(?)
さて今回は、現在日本が直面している大きな課題である「2025年問題」と鉄道について研究していきます。最後までどうぞよろしくお願いします。
2.「2025年・2035年問題」の概要
2025年に、およそ800万人いるとされる“団塊の世代”が全員75歳以上の後期高齢者になることによって、日本国民の4分の1が後期高齢者となります。これがいわゆる「2025年問題」です。また、2035年には“団塊ジュニア世代”の一部が65歳以上となります。こちらは「2035年問題」と呼ばれています。
現在おもに心配されているのは、年金・医療など社会保障関連の問題ですが、鉄道事業者にとっては生産年齢人口(通勤利用者)の大幅減少による通勤定期利用者の減少が喫緊の課題となるおそれが出てきています。
人口減少に歯止めがかからない今、この問題を解決するためにはどうすれば良いのでしょうか。
▲現在、鉄道を通勤で利用する客は多いが、今後は自然減少が進むと思われる
3.現状
①大人の休日倶楽部(JR東日本)
JR東日本では、「大人の休日倶楽部」と呼ばれる会員制のサービスを実施しています。これは、50歳以上の会員にグリーン車などのきっぷを割安な価格で提供することで、通勤でJR東日本を利用していた乗客に観光でも鉄道を利用してもらうという面で大いに有用といえます。
②ガーラ湯沢スキー場新幹線割引(JR東日本)
これは、若者向けにスキー場のリフトの利用権・新幹線の往復割引乗車券を格安で提供するものです。将来の利用者となる若年層の取り込みとしては、ある程度有効といえるでしょう。
*平日に利用した場合
③若年層向け周遊券(JR四国)
JR四国では、「若者限定四国フリーきっぷ」という連続した3日間特急列車自由席が乗り放題になるきっぷが発売されています。こちらも、将来の利用者となる若年層の取り込みとしては、ある程度有効といえるでしょう。
4.考えられる改善策
考えられる改善策として次の2つを挙げていきます。
①通勤利用客のリタイア後利用の推進
先ず、次のグラフをご覧ください。
(出典:「都道府県別鉄道通勤・通学率 - とどラン」https://todo-ran.com/t/kiji/18924)
*都合によりグラフは新しいものを使用しています*
このように、日本全国でも鉄道は自家用車に次いで多い通勤手段であり、関東では56%近くなるというデータもあります。今後、段々と減少していく生産人口(=通勤利用客)に退職後の利用を推進することはかなり効果的といえます。
しかし、現状会員制の「大人の休日倶楽部」だけでは、多大な効果とはいえません。ここで提案したいのが、“老年層向けの新幹線割引”です。
現在、60歳以上の世代に人気の観光地としては温泉が多くなっています(楽天トラベルのデータによる)が、温泉旅館などの利用券と新幹線の往復券をセットにして発売することで、若年層向けのスキー利用きっぷと同じ効果が期待できるでしょう。
②若年層の利用の推進
若年層の利用の推進でもっとも有効な手段としては、前述の観光推進が挙げられます。しかし、これだけではいずれ手詰まりになってしまう恐れがあります。次のグラフをご覧ください。
(出典:レジャー白書2017)
このように、スキーおよびスノーボードの人口は横ばいもしくは減少傾向にあります。いずれはスキーだけでない割引を導入していくべきでしょう。
5.総括
・2025年問題の対策としては、老年層の観光利用のさらなる推進および若年層の利用のつなぎ止めを行う。
・いずれは、スキー以外(温泉など)の観光利用も検討していく必要がある
6.後書き
人口減少に太刀打ちができない“超高齢化社会”である今、鉄道事業者によるこのような利用客のつなぎ止めはある程度の効果を発揮できるかと思っています。 いつまで経っても内容のない研究ですが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
7.参考資料
・雪マジ!19~SNOW MAGIC~ https://majibu.jp/yukimaji19/pc/campaign/jrskiski/
・都道府県別統計とランキングで見る県民性 http://todo-ran.com/t/kiji/18924
・若者限定四国フリーきっぷ http://www.jr-eki.com/ticket/brand/1-3XE
・楽天トラベル https://travel.rakuten.co.jp/mytrip/ranking/senior-spot-ranking/
(高校1年 WY)
2017年に発行した『停車場113号』に掲載された文章です。統計データは当時のものです。都合により文章を改めた個所があります。
0コメント