1.はじめに
こんにちは。中学2年の○○です。初めての文化祭号なので気を引き締めて、書いていこうと思います。さて今回の研究では京浜東北線について書いていきます。まだまだ拙いところもあるかと思いますが、最後まで読んでいただけると幸いです。
2.京浜東北線の概要
(1)路線
京浜東北線は大宮駅から東京駅を経由して横浜駅に行く路線で、大半の列車が根岸線に直通していて磯子駅や大船駅まで運行されています。また横浜方面から東神奈川駅で横浜線に直通もしています。
京浜東北線という路線は厳密には存在せず、大宮~東京駅間は東北本線、東京~横浜駅間は東海道本線の一部ということになっています。この研究では京浜東北線の名称を使います。
(2)種別
京浜東北線の種別は各駅停車と快速の2種類があります。快速は日中に、各駅停車はそれ以外の時間の全ての列車にて運行されています。快速は浜松町駅~田端駅の間で6駅(土休日は5駅)通過しています。
では快速しか運行されていない日中に通過駅を利用したい人はどうすればいいのかという話ですが、快速が通過する全区間で山手線と並走しています。そのため、日中では山手線が京浜東北線の各駅停車という役割を果たしています。
(3)車両
車両は主にE233系1000番台と、横浜線からの直通列車としてE233系6000番台が使われています。過去には209系や205系が使われていました。
並走する山手線にはE235系0番台が使われています。
京浜東北線で活躍するE233系1000番台
横浜線で活躍するE233系6000番台
3.問題点
(1)快速の必要性
①速達性
実は快速ができた頃には、浜松町駅、神田駅、御徒町駅は通過していました(高輪ゲートウェイ駅はまだ開業していません)。しかし、当時浜松町駅を利用していた1日30.9万人の人のうち東京モノレールに乗り換える人はその内10.6万人とたくさんの需要があり、京浜東北線が日中に停まらないということは不便という要望があったことから利便性向上のために、快速が2002年7月14日から浜松町駅に停車するようになりました。
また神田駅と御徒町駅では、上野東京ラインが開業したことで東京駅~上野駅間がノンストップで運行されることから、中遠距離からの移動が不便になってしまうとのことで2015年3月14日のダイヤ改正から快速が止まるようになりました。
では、なぜ快速ができたのでしょうか。それは山手線との遠近分離を行うためです。山手線とは違い、品川駅以南や田端駅以北へ向かう人もいるため、なるべく早く都内は通過したいという需要を担っているものと思っています。
しかし、前述の理由のために通過駅が6(土休日は5)駅と大幅に少なく、各駅停車や山手線と比較して所要時間はあまり変わっていません。
②利便性
快速は、上野東京ラインが停車する新橋駅や日暮里駅(常磐線直通のみ)は通過するなどといった千鳥停車(低ランクの種別が高ランクの種別が止まる駅を通過すること)となっています。そのため、利便性が低い列車となってしまっています。
とはいえ、日暮里駅は京成線の主要駅となっています。もしかすると、京成線との利便性をあえて下げるように日暮里駅に快速を止めないようにしているのかもしれません。
ただそうしてしまうと、逆に京成線からJRへの乗客が減ってしまうのでやはり日暮里駅に快速が止まらないのは不便といえると思います。
③時間帯
現在快速は9時頃から15時頃に運行されており、それ以外の時間帯では各駅に停車しています。しかし、遠近分離という観点で混雑率を減らすという面では各駅停車だと意味が薄くなってしまいます。
(2)朝夕の横浜線直通
横浜線に直通する電車が朝時間帯には極端に少ないことが分かります。以下の表をご覧ください。
これを見れば分かるとおり、横浜線直通の本数が朝夕時間帯になると、かなり減ることが分かります。平日はまだ八王子方面への通勤需要は限定的なのでいいと思いますが、休日には観光客の需要があると思います。
横浜線沿線には、ららぽーと横浜、日産スタジアムなどの娯楽施設が多くあります。それなのに、横浜駅方面からの利便性が悪いのは問題なのではないでしょうか。
また、逆に根岸線方面にもみなとみらいや横浜スタジアム、中華街などの有名地が多くなっています。朝から行きたい、夜遅く帰りたいという需要にはこれだけではあまり応えられていないと思います。
根岸線と横浜線が直通しているのを表しているLED行先表示機
4.解決策
(1)快速の必要性
この問題にはいくつか解決策の案が浮かんだので紹介していきます。
①快速を廃止してしまう
快速が不要と言っているのなら消してしまえばいいじゃないという考えです。これによって全部各駅停車にすればシンプルなダイヤ構成となるでしょう。ただ、問題点として神田駅や浜松町駅などといった現在快速が停まって、上野東京ラインが停まらない駅が不便になってしまうことが挙げられます。
②各駅停車と快速を同時運行させる
これは各駅停車、各駅停車、快速、各駅停車…というように各駅停車と快速を混在させる方法です。これによって、通過駅を利用したい人のニーズにも応えられることができます。しかし、待避設備が必要となるためコストがかなり掛かってしまいます。
更にいえば、元はといえば京浜東北線の快速は、山手線を緩行線として運行させるものです。京浜東北線の各駅停車をその役割に就かせてしまっては、本末転倒でしょう。
③快速の停車駅を減らす
京浜東北線の快速が不要な理由といて、先程速達性が悪いといいました。そのため停車駅を減らせば速くなるのではと考えました。下に書いてあるのは、僕が考えた快速の新しい停車駅です。
大船駅から品川駅までの各駅、高輪ゲートウェイ駅、田町駅、浜松町駅(土休日のみ)、東京駅、秋葉原駅、上野駅、日暮里駅、田端駅から大宮駅の各駅
自分で考えた京浜東北線の新停車駅
品川駅までの駅では上野東京ラインが快速として機能しているので各駅に停車にしました。高輪ゲートウェイ駅と田町駅は、品川駅で対面乗り換えができないため停車としました。
浜松町駅は、平日の昼間に羽田空港を使う人は少ないと思われるので平日のみ通過、日暮里駅は京成線からの人が利用しやすくするように停車としました(京成線の上野駅はJRとは遠いです)。田端駅からの各駅は品川駅以南と同じ理由です。
しかし、ここまで飛ばしたところで快速運転開始当初とほとんど停車駅は変わっていません。また、通過駅は8駅(土休日は7駅)と2駅しか変わっていません。
更にいえば、一度停車駅にした駅を通過駅に変えるというのはなかなか難しいと言われています。その駅を利用している人からすると利便性が低下するのは避けたいと思っているからでしょう。この案はなかなか現実的ではありません。
④各駅停車を廃止する
解決策の①の逆で快速だけにしてしまおうということです。このことで近いところへは山手線、遠いところへは上野東京ラインをその中間は京浜東北線という、遠近分離が可能になります。
しかし、御徒町駅の停車がどうなるのか、また快速が停車しない有楽町駅や新橋駅のホームをどうするのかという問題があります。
この中で僕は①の方法がいいと思います。②はやはり待避施設の用地を得ることや工事が容易ではないことから難しく、③は機器の更新やあまり効果がないことがあげられます。④では新橋駅や日暮里駅を通過するというのは朝のラッシュ時に山手線がかなり混んでしまうので、難しいと思いました。
①ならばコストも抑えることもでき、無駄になる施設が少ないと思いました。
先ほど挙げた問題点として神田駅や浜松町駅が不便になってしまうと書きました。僕は確かに所要時間が長くなって不便になるデメリットもあると思いますが、山手線と京浜東北線で実質複々線となっているので混雑が緩和させられると思いました。
更に言えば、所要時間が長くなるといいましたが、田端駅~浜松町駅間で9分しか変わっていません。全部乗りとおす人は上野東京ラインの存在から少ないと思われます。
よってあまり影響はないものと感じられます。
(2)朝夕の横浜線直通
横浜線との東神奈川駅での接続には2パターンあり、①京浜東北線の到着後すぐに発車するものと、②数分待つものとあって、①の列車で直通してしまうと、車両間隔が詰まってしまうことから無理なので、それは今まで通り東神奈川駅始発でいいのですが、②の場合ならぜひ直通したほうがいいと思いました。2~3分離れていることから折り返し時間もそれなりに確保できるものかと思われます。
問題となるのは、鶴見・川崎方面の電車が減ることですが、実質の快速となる上野東京ラインがあるので、京浜東北線は近距離輸送が主になると予想されます。そのため、多少混んでいても大丈夫かなと思いました。
5.京浜東北線のワンマン運転化について
京浜東北線は将来ワンマン化する予定となっています。なぜワンマン運転を行うのかについてここでは説明していきます。
(1)ワンマン運転とは
ワンマン運転というのは車掌が乗っておらず、運転士だけが乗っている、即ち1人で乗務するという運転方式となります。
採用されているところは、地方部の路線が多いと思われがちですが、東京メトロの一部の路線や相模線などといった首都圏の路線にも存在します。
(2)ワンマン運転のメリット
ワンマン運転のメリットとして、第一に人件費の削減があげられると思います。普通は運転士と車掌の2人体制で乗務しているのですが、単純に運転士だけになることで、乗務員が減り人件費が抑えられるようになることが挙げられます。そのことから地方の路線では廃線を免れるためのコスト削減として使われることがよくあります。
(3)ワンマン運転のデメリット
デメリットとしては、乗降の安全確認に時間がかかってしまうことがあげられます。車掌の役割が単純に運転士に移ることから、運転士のやることが増えてしまい負担が掛かってしまいます。
ワンマン運転をするにあたってホームドアの全駅設置やATO(自動列車運転装置)などといった設備の確保は増えていますが、それでも負担が大きいのは避けられないでしょう。
また、災害時などの安全確保も重要になっていくでしょう。不測の事態が起こっても運転中ということで、対応が遅れてしまうことも考えられます。その時にどうするかという問題が考えられます。
ワンマン運転を行っている相模線(写真はE131系)
ワンマン運転を行っていることを表しているLED行先表示機
(4)京浜東北線はワンマン運転をするべきなのか
そして現在計画に上がっている京浜東北線のワンマン運転化についてですが、僕はしたほうがいいと思いますが困難であると思います。
ワンマン運転を行うためには安全確認ができるようになることが必要ですが、京浜東北線は10両編成と、安全確認を目視でできる範囲ではないので監視用カメラなどの設備が必要になっていきます。
JR東日本では、2024年度以降にワンマン運転に対応する機能を持った車両を、京浜東北線と横浜線に導入する方向性を示していましたが、現行車両のE233系の残留が決まりました。
しかし、ワンマン運転ができるような設備を備えるのに、莫大な費用が掛かることが予想されます。またワンマン運転をすることによって安全確認などの教育が必要になることから時間もかかることが予想されます。
とはいえ人件費が将来的に削減できるという可能性はJR東日本にとって捨てがたいメリットだと思います。そのため将来的にはワンマン化運転をすることが必要であると思います。しかし、すぐにできるものではないので、それは費用対効果をしっかりと見出していく必要があると思います。
6.まとめ
・快速は通過駅が少ないうえに、通過駅の多くが主要駅ので利便性が悪いと思われる。そのため廃止して各駅停車に統一するべきである。
・横浜線直通は休日の朝夕の割合が少ないのに需要は高いと思われるので増やすべきだと思う。京浜東北線の川崎方面の列車が少なくなることは避けられないが、実質的に快速の役割を担っている上野東京ラインがあるために近距離利用者が多くなることが予想されるので問題ない。
・ワンマン運転は行った方がいいが、車両の改造などに費用がかなり掛かるので難しいと思われる。
7.おわりに
いかがだったでしょうか。今回の研究は文化祭号の研究ということもあって、分かりやすく書こうと思いましたが実際自分の中での評価は微妙です…。何回も研究を書いていくたびにわかりやすく書けるように頑張っていきたいと思います。こんな研究でしたが
最後までご覧いただきありがとうございました!
8.参考文献
JR東日本 https://www.jreast.co.jp/
マイナビニュース https://news.mynavi.jp/
朝日新聞DEGITAL https://www.asahi.com/
乗りものニュース https://trafficnews.jp/
おことわり:Web公開のため一部表現を変更させていただきました。掲載されている情報は研究公開当時のものです。現在とは若干異なる場合があります。
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