伊豆アクセスを考える

1.はじめに

 こんにちは、高校一年の〇〇です。初めての研究を書いてから今回で2年経ち、残り研究を書く回数もコロナやなんやで半分を回っていることになります。残りの研究は心残りないように書いていければいいと思います。

 その第一歩として今回は伊豆アクセスについて話していきます。伊豆に行くとき多くの手段がある中あなたはどんなルートを用いていくでしょうか?そんなことについて研究して行こうと思います。

2.伊豆アクセスの概要

 現在、伊豆に向かうには大きく分けて2つのルートがあります。それは在来線の東海道線を使うルート(以後東海道ルート)、東海道新幹線を使うルート(以後新幹線ルート)です。高速バスを使うルートも存在しますが伊豆と東京方面を直接接続する高速バスは現在バスタ新宿と伊豆長岡方面を結ぶ「伊豆長岡・修善寺ライナー」しかなくそれ以外では沼津駅に行くものしかありません。また、どちらのルートでも三島駅や熱海駅などからはレンタカーや現地の路線バス、鉄道などを使う人も多くいます。今回の研究では主に鉄道を使う東海道ルートと新幹線ルートについて触れていきたいと思います。

伊豆アクセスの東海道ルートと新幹線ルートの概要図

※一部駅、路線のみしか記していません

2-1東海道ルート

 東海道ルートでは特急「踊り子」や「サフィール踊り子」「湘南」があり、また普通列車などを使い伊豆方面へ行くルートで普通列車の一部は三島駅の先の沼津駅や伊東線に直通し伊東駅に行くことができ、特急列車は東京から修善寺駅や伊豆急下田駅まで直通運転を行っていて伊豆に乗り換えが少なく行けるのが特徴です。他にも、新宿方面や川崎駅、臨時で常磐線方面など様々な場所から客を拾うことができるのが強みだと言えます。

2021年春に引退した185系

普通列車で使用されるE233系

2-2新幹線ルート

 新幹線ルートは三島駅や熱海駅まで東海道新幹線を使い、そこからは伊東線などの在来線で伊豆へと向かうルートです。利点としては先の点に加えどの時間でも基本毎時2本のこだまや熱海駅や三島駅に停車するひかりがあるなど基本的に午後は普通列車のみになる東海道ルートに比べ午後出発や夜出発など柔軟なプランが組みやすく他にも単純に速いことがメリットとして挙げられます。

東海道新幹線で主力として使用されているN700系(△△氏撮影)

2-3ルートの比較 

それではそれぞれルートを比較していきたいと思います。また、高速バスはバスタ新宿〜長岡温泉間のもので、あくまで参考です。新幹線の特急料金は左を指定席料金、右を自由席料金とし、東海道線普通は前者が運賃のみ、後者は土休日にグリーン車を利用した際のものとします。また新幹線の料金は繁忙期は200円増しで閑散期は200円引きになっています。

東京~熱海間※時刻は10時前後発の列車を選びました

新宿~熱海間※時刻は踊り子の発車時刻の9時半前後に合わせました(高速バスは1日1本)

 このように見てみると踊り子と新幹線では料金面で極めて大きな差があるわけではなく、新幹線で自由席を利用するときは差が640円となっています。

また、高速バスは1日1本しかありませんがWi-Fiが付いているほかこちらも修善寺方面へ直結していて料金も安めのため、他の交通機関とも互角といえます。

3.東海道ルートの課題点

 東海道ルートの課題点はコストパフォーマンス・利便性において弱い部分があるということです。

3-1 コストパフォーマンス面

まずコストパフォーマンスに関してです。新幹線は熱海まで1時間かからない速さを見せますが踊り子はそれより2~30分ほど遅くなっています。もちろん新幹線のほうが早いのは当たり前ですが料金では東京駅、新宿駅発で新幹線を自由席利用した時で640円しか違いません。これでは若干踊り子側が不利だと思います。

また、普通列車もグリーン車を利用するとなると踊り子との料金の差が土休日で320円、平日なら120円まで縮まってしまいます。普通列車のグリーン車には着席保証がなく、速さ・サービスを考えても320円以上の差が出てしまっている状況と言えます。

3-2 利便性

もう一つ、利便性に関しては特急踊り子・サフィール踊り子は東京駅を最も遅く出る便が定期の場合東京13:00発の踊り子で伊豆急下田には16時前と早めの到着となっていてそれより遅くの場合は普通列車や新幹線、特急は湘南を使うしかありません。しかし湘南はビジネス色が強く小田原駅までしか設定されていないため伊豆アクセスとしてはかなり弱いといえます。そのため東海道ルートでの夜到着などのプランは立てにくくなっているのも課題といえます。

4.新幹線ルートの課題点

 新幹線ルートの課題点は1つで東海道新幹線を使って伊豆方面に行く場合は主に東京駅、品川駅、新横浜駅から新幹線に乗って熱海駅、三島駅からレンタカーや現地の鉄道、バス等を使わなければいけません。そのため東京駅のほかに新宿駅、渋谷駅から直接下田方面や修善寺方面に行くことのできる東海道ルートに一歩遅れを取ってしまっていると言えます。

 しかしながらこの問題は解決策がほぼないため、この弱点を埋め合わせるものを作っていったほうがいいと思います。

5.解決策

5-1 割引切符の拡充

 これは東海道ルートのコスパ面の弱点を補うことができると思います。現在伊豆方面への割引切符としてJRと伊豆急、東海バス合同の「南伊豆フリー乗車券」があり、この切符では東京都区内や横浜市内からフリー切符有効エリアへの往復乗車券と指定されたエリア内の伊豆急線、伊東線、東海バスが乗り放題という2日間有効の切符です。特急券はこの切符には入っておらず別途特急券等の購入が必要です。この切符では都区内からの料金は6270円で東京~熱海間の通常往復運賃は3960円なのでエリア内の移動を考えれば十分にお得なきっぷだと思います。この切符自体も2日間有効しかないため、首都圏に比較的近い伊豆エリアでは日帰りバージョン、また他にも3日間有効のこのようなきっぷがあってもいいと思います。また、このようなきっぷは修善寺方面にはなく、そちらには駿豆線内乗り放題のフリーパスしかなく、三島駅で必ず一度降りる新幹線ルートに若干有利である状況です。そうなのでそちらも往復乗車券を割引してくれるような切符があったほうがいいと思います。

 またこういう往復乗車券によって先述した通り新幹線ルートの弱点を埋め合わせることがある程度できるようになるのではないかと思います。

5-2普通列車グリーン車の割引制度

 普通列車グリーン車に関しては往復割引を投入すべきだと思います。

 制度としては基本ICカードのみの対応として一回乗った区間を記録しておき、ある有効期限内に一回目の到着駅が二回目と出発駅と同じでかつ、二回目の乗車区間が全て一回目乗った区間が含まれているとき普通列車グリーン車に乗車した際に割引をするというような制度です。この制度であればハード面に関して多くの改良をする必要はなく、導入コストが抑えるようにできるのではないかと思います。

5-3 踊り子の増発

 これは東海道ルートの利便性についての解決策で、単純に夕方ごろに東京を出発する踊り子を増発するというものです。伊豆に夜頃到着なことから、毎日でなく金曜日や土曜日のみの運行でよいと思います。車両も現在、元々房総方面で使用していたE257系500番台の一部が波動用となり予備がいる状況であり、動員することができると思います。また、現在夕方から夜頃運転されている特急湘南はこれよりも時間が遅く、運転区間も小田原駅までしか行かないので問題ないと思われます。

波動用としての動員が可能なE257系500番台

7.まとめ

・割引切符のバリエーションを増やして足りない部分を補い、強い部分を伸ばす。
・普通列車グリーン車の割引制度を作り使い易くする
・踊り子を夕方ごろ増発し、多彩な需要に応える

8.おわりに

 久しぶりに研究を書いた&急いで書いたので思っていた以上に短くなってしまいました。伊豆はコロナ禍が収まったら河津桜なんか見に行きたいと思っています。高校生のうちに行けるのかは謎ですが…ともかくここまでお読みいただきありがとうございました。次号は文化祭号でそれが終わればもうまともな部活動は1年を切ってしまいます。残りはあまり長くないですが今後ともよろしくお願いいたします。

9.参考サイト

・JR東日本

https://www.jreast.co.jp/

・駅探

https://ekitan.com/

・伊豆急

https://www.izukyu.co.jp/index.php

おことわり:Web公開のため一部表現を変更させていただきました。掲載されている情報は研究公開当時のものです。現在とは若干異なる場合があります。

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