車内における痴漢・痴漢冤罪と女性専用車両について

1.はじめに

 中学2年生の**です。もう入部から1年もたっていると考えると、時間の流れは速いのだなという事を実感しています。

 3回目の執筆となる今回は、社会問題となっている痴漢と痴漢冤罪、女性専用車両について書きました。拙い文章ですが、最後までお読みいただけると幸いです。

2.痴漢・痴漢冤罪の現状とその問題

①.痴漢の現状

 広辞苑には、痴漢とは

1.おろかな男、ばかもの、しれもの

2.女性にみだらないたずらをする男

とあります。基本的に痴漢は2番の女性にみだらないたずらをする男性を指しますが、最近では男性への痴漢も増えています。痴漢行為を含む犯罪を減らすには、的確に罰を与えることが大切になります。しかし、今の司法ではそれができていないために痴漢冤罪が発生しているといえます。的確な判断が下せない理由は、現場の証拠が少ないからだと思います。そのような痴漢を減らすためには鉄道会社と個人の双方が協力して対策していかなければなりません。


痴漢の発生場所の割合

 このグラフから分かるように、痴漢の発生場所は電車内の割合が多く、50%を超えています。電車内での対策をきちんととれば全体として痴漢行為の減少にもつながります。


 電車内における痴漢の認知件数は年々減少しています。それでも、痴漢は大きな社会的問題として早急に解決していくべき課題だと思います。最近では、痴漢を行った後に線路へと逃走するケースが増えており多くの人に迷惑となることからも、痴漢問題は解決していかなければなりません。

②.痴漢冤罪の現状

 痴漢冤罪は主に2パターンあり、1つは痴漢をした人と違う人を間違えて捕まえてしまうことで、もう1つは主に女性側が賠償金目的にわざと冤罪をかけることです。電車内での痴漢の件数が多いのと同じように、電車内での証拠が少ないため、痴漢をやっていない人が冤罪をかけられることも少なくありません。また、痴漢冤罪の被害にあうと職を失い、家族や友人も、時間も失われてしまうこともあります。痴漢には女性専用車両の設置によってある程度の対策がなされていますが、痴漢冤罪にはそのような対策がないという点も大きな問題だと思います。2007年に公開された映画「それでもボクはやってない」は、痴漢冤罪が大きな問題であるということを社会に知らしめました。

3.女性専用車両の問題

 女性専用車両は、男性の任意協力のもと、痴漢から女性を守るために設定されている車両です。たとえば、京浜東北線の女性専用車両では、「小学生以下の男の子、お体の不自由な方とその介助者の方にもご利用いただけます」と案内されており、一部の男性も乗車することができるということになっています。

 法律上では、どの男性も女性専用車両に乗ることは可能です。そのため、乗客・駅員を含め誰も女性専用車両に乗っている男性を強制的に下車させることは出来ません。しかし、公共交通機関のマナーという視点から考えると一般の男性は乗車しない方が良いです。

 ちなみに、鉄道営業法34条2号には

婦人ノ為ニ設ケタル待合室及車室等ニ男子妄ニ立入リタルトキ
(女性のために設けた待合室や列車に男性は立ち入ってはならない)

 とありますが、この法律は戦前に施行が開始されたものであり憲法の平等権や自由権に違反するため効力がないのではないかとされています。

 この女性専用車両の問題は、痴漢自体の対策に大きな成果を出していないということです。男女が混在する号車において痴漢が発生している、すなわち、痴漢が起こる所がすべての車両から女性専用車両以外に移っただけなのです。また、男女と完全に分離すると、性同一障害者の人や男女で電車に乗っている人などが電車に乗りづらくなるので、全ての車両を男性専用車両と女性専用車両のように分けることは不可能です。そのため、女性専用車両、男性専用車両ともに設定しても根本的な対策にはならないと思います。

 ただ、痴漢から女性を守るという点で女性の心の支えになっているため、廃止にする必要はないと思います。

 女性専用車両のもう1つの問題としては任意確認乗車が行われていることです。これは、男性が女性専用車両に乗車できることが担保されていることを証明するために、わざと女性専用車両に乗車するというものです。女性専用車両はあるのに男性専用車両はないことや、男性の乗れる車両が少なくなっていることに不満を持つ人、男性も乗れるのに乗らせないようにしてくる駅員に対して不満を持ったりしている人が、このようなことをしているのだと思います。この任意確認乗車の問題点は、女性専用車両に乗車することで女性専用車両に男性が乗車できる、任意性が担保されていることを確認しているということです。

 しかし女性専用車両に不満を持つことは個人の自由ですのでかまわないと思いますが、任意性の担保を確認する方法が他の人の迷惑になることであることは良いのだろうか、ということです。


ホームにある女性専用車を知らせる表示

4.痴漢への対策

(1)個人での対策

 1つ目は、当たり前ですが混雑している電車を避けることです。空いている電車を使えば痴漢に襲われることも少なくなります。また、混んでいる電車を避けて通勤する人が増えればピーク時の混雑が緩和するので、全体としての痴漢減少に役立つ可能性もあります。

 2つ目は、周りの人が痴漢にあっていたら助けるという事です。このときに注意すべきなことは、確実にやっている人を捕まえるということです。これで冤罪が発生してしまっては、意味がありません。確実に触っている、逃げるような仕草をしたなど、冤罪が発生しないように気を付けながら犯人を捕まえていかなければなりません。

(2)鉄道会社の対策

1つ目は、混雑を緩和、平準化することです。ピーク時間帯の本数を増やすなどの対策には限度がありますが、拡幅車体やワイドドアの導入など、少しでも体感的な混雑を改善することは可能だと思います。また、京浜急行電鉄が2019年7月1日にサービスを開始したKQスタンポというサービスがあります。これは、特定の区間で普通列車を使うとポイントがもらえるというサービスで、混雑平準化に効果があると期待されています。このように、混雑緩和や平準化に向けて様々な対策を行うべきだと思います。

ワイドドアの小田急2000形

拡幅車体のE233系

 また、混雑平準化のためには、オフピーク通勤を呼びかけることも大切です。例えば、ラッシュピーク前の時間帯の本数を増やす、ピーク前に改札を通過したらポイントが貯まるなどの特典があればオフピーク通勤する人を増やすことは出来ると思います。


東西線木場駅の中野方面の時刻表

 この東西線のようにオフピーク時間帯でも本数が確保されている路線ではオフピーク通勤がしやすいと思います。

 2つ目は防犯カメラの設置です。最近では、防犯カメラを設置している車両も増えてきています。痴漢は冤罪もあり、また証人もいない可能性があるため、防犯カメラの設置は痴漢対策に有効だと思います。防犯カメラの設置がプライバシーの侵害だと訴える人もいるようですが、電車は公共の場であり公共交通機関であるので公共の利益、ここでは痴漢や痴漢冤罪の証拠を増やすことの方が、重要であると思います。

5.痴漢冤罪への対策

(1)個人での対策

1つ目は痴漢冤罪対策の知識を深めることです。痴漢冤罪対策の方法は様々あり、主な対策としては、両手を挙げて電車に乗る、駅事務室には絶対行かない、警察まで連れていかれたらすぐにDNA検査を要求する、など様々あります。わざと冤罪をかけても失敗するということが世に浸透するようになれば、痴漢冤罪も減っていくと思います。

 2つ目が痴漢冤罪と思わしき事態が発生したら証人となり被害者側を守ることです。男性側が痴漢をしていないことが前提となりますが、痴漢冤罪を防ぐうえではとても大切なことだと思います。

(2)鉄道会社の対策

 基本的には痴漢対策と同じで、混雑緩和や平準化、オフピーク通勤の推進、防犯カメラの設置などです。先述の通り、男性専用車両の設置は根本的な対策にならないため設置する意味はないと思います。

(3)その他の対策

 国、政府は痴漢冤罪に対する罰を強化すべきだと思います。痴漢の罰を強化すると、痴漢冤罪がより増えてしまう可能性があるので、そこは慎重に変えていかなければなりませんが、痴漢冤罪に対する罰はすぐに強化すべきです。

 また、誤認逮捕がなくならないのは、捜査が完全に行われていない、自身の点数稼ぎに案件を取り扱っている警察官も存在するということです。裁判官も被害者の言うことだけを鵜呑みにせず、客観的な証拠のもとで罰を下していかなければならないと思います。その証拠のためにも防犯カメラの設置というのは大切ですし、混雑率が一定以上の路線には防犯カメラの設置を義務づけるなど、積極的に痴漢や痴漢冤罪の対策を推進してもらいたいと思います。

6.女性専用車両における任意確認乗車について

 任意確認乗車への対策は女性専用車両の廃止が手っ取り早く楽な方法ですが、先述の通り女性専用車両の廃止はあまり望ましくありません。そのほかの方法としては、女性専用車両は男性の任意で成り立っていて、あくまでもここでのルールとして女性専用とさせていただいている事を放送・ポスターで掲示すれば、任意確認乗車が少なくなるのではないかと思います。

7.総括

・痴漢、痴漢冤罪ともに個人がしっかりとした知識を持って自信を守る、周りの人を守るということをするべきです。

・鉄道会社は混雑の緩和や平準化、オフピーク通勤の推進に最大限の努力をし、防犯カメラの設置も進めていかなければなりません。

8.終わりに

 痴漢は犯罪です。なのに、多くの犯人を逃がしてしまっています。それらを捕まえるには、政府と鉄道会社、そして個人がそれぞれ連携していかなければならないと思います。痴漢や痴漢冤罪は、今これを読んでいる読者の皆さんや皆さんの両親、友人、親戚に、いつ降りかかってくるか分かりません。筆者でも明日、痴漢冤罪で捕まってしまう可能性があります。個人でも痴漢や痴漢冤罪に対する知識を持ち、犯罪を減らしてもらいたいと思います。このような拙い文章を最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。

9.参考サイト

・法務省 

http://www.moj.go.jp/

・東京メトロ 

https://www.tokyometro.jp/

・NEWSポストセブン 

https://www.news-postseven.com

・東洋経済オンライン 

https://toyokeizai.net

・電子政府の相談窓口 

https://www.e-gov.go.jp/

・犯罪白書 

http://hakusyo1.moj.go.jp/

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