1.はじめに
はじめまして、中1の**です。今回初めて研究を書くので変な感じになってしまうかもしれませんが頑張らせていただきます。
2.車内での座席の種類
電車の中には座席がありますが座席にも種類があるのでそれを見ていきたいと思います。
①ロングシート
まずはロングシートです。ロングシートとはドアとドアの間に車体に沿うようにシートが並んでいます。ロングシートの利点としては、車体に沿うように並んでいるので向かい側のシートと距離があり、人を積み込みやすいということです。なので、首都圏など利用者が多いところではロングシートが多く採用されています。ロングシートの欠点はつり革や手すりもシートに平行に設置されていることが多いためシートの前には立ち客が来ることが多く、座っている人が圧迫感を感じてしまうことや、座った時隣の人と肩などが触れ合ってしまう場合もあり、圧迫感を感じてしまいます。そのためサービス面としてはあまり良いとは言えません。
E531系のロングシート
②クロスシート
次にクロスシートです。クロスシートは車体に直角に座席に設置されています。クロスシートは長距離列車に使用されることが多く、また、あまり混雑が酷くない路線で採用されることが多いです。実際、クロスシートが使用されている車両が多い名古屋圏、大阪圏の東海道線の最混雑時間の混雑率は平成29年度の時点で名古屋圏が104%、大阪圏は快速線が112%、緩行線が111%と比較的混雑率が低いことがわかります。また関西、名古屋共に私鉄各社との競合が激しく、サービス向上のため使われているということもあります。関東のグリーン車や特急列車もクロスシートを採用しています。このようにクロスシートはサービスを重視される際に使われる傾向にあります。また、クロスシートはサービスをよくするのに対し、混雑時には人を詰め込みにくいという欠点があります。よって首都圏近辺では見かけることが少ないです。
E531系のクロスシート 画像はグリーン車にて
③セミクロスシート
セミクロスシートとはその名の通りクロスシートとロングシートが合わさったような座席のことです。セミクロスシートは図に示したようなドアとドアの間に短いロングシートと、クロスシート同士を向い合せて作るボックスシートで座席が配置されている場合が多いですが、配置にはさまざまなバリエーションがあります。ロングシートの部分もあるためある程度は混雑対応ができ、昼間など空いている時間にはボックスシートやクロスシートを利用してもらうという柔軟性があり、主に首都圏の近郊型電車の一部車両に設置されています。ただしこの座席も混雑にそれほど強くないため、編成の中でも一部車両にしか設置されません。実際、湘南新宿ラインでは渋谷駅、新宿駅、池袋駅といった大きな駅の改札口が14,15号車の近くにあり混雑を悪化させてしまっています。
E531系のセミクロスシート
④デュアルシート
最後に特殊なシートの紹介をします。このシートはクロスシートとロングシートを変えられるというシートです。このシートがクロスシートとして使われるのは空いている時間よりも「ライナー」と呼ばれる着席保障列車として運行される時です。着席保障列車はサービス面が重要なのでクロスシートが望ましいのに対し、昼間もある程度混むような路線ではクロスシートとロングシートを変えられることで少ない車両数を作るだけで、その車両が各停からライナーまでこなせるようになるのです。近年着席保障列車というのは注目を集めているので、そんな中デュアルシートの列車は重要と言えます。
京王5000系のデュアルシート 画像はどちらもロングシートの場合
3.優先席
この研究では優先席にも触れていきたいと思います。
優先席とは、ご年配の方々や体が不自由な人、乳幼児を連れているといった事情のある人々が座席に座りやすくなるよう、優先席付近でそういった人がいた場合、席を譲るようにする席のことです。優先席は色などでほかの座席と区別しているものが多く、窓部分にもステッカーを貼って優先席であることを示しています。優先席は多くの鉄道会社に導入されています。また、優先席があることはそういった事情のある人々にとって心の支えになっているということもあるでしょう。
このように車内外ともにステッカーで優先席だということを示している (写真は東急電鉄)
4.セミクロスシートの活用
混雑対応のためにはロングシートは欠かせませんし、サービス向上のためにはクロスシートの方が良いといえます。この2つが車内にあるセミクロスシートが良いと私は思います。しかし、セミクロスシートは混雑に強くないため、ラッシュ時の混雑が激しすぎるところには入れることはあまり良いとは言えません。
また、デュアルシートは製造に多額のコストがかかってしまうため、これを多く製造することは難しいです。なので、私は
・朝ラッシュの混雑がさほど激しくない
・中、長距離の需要がある
という条件を満たした路線でオールロングシートをセミクロスシートにすることを提案します。
その具体例としては北総線が良いと思います。北総線は日中、羽田空港から京急線、都営浅草線、京成押上線を経由してくる列車が多く、通過人員を見ると新橋駅から都営線、京成押上線内通過人員に大きな動きがなく、高砂駅で多くの降車がありますが、そこから空港第2ビル駅まで通過人員に大きな動きがありません。なので、浅草線から千葉ニュータウンや成田空港への中、長距離の需要があると考えました。また、北総線は混雑率も92%と少ないので良いと思いました。ただ、乗り入れ先の京成押上線の混雑は150%台とかなり高い数値になっています。なので、北総線の車両すべてをセミクロスシートにするのではなく、日中主にアクセス特急に使われる3000形7次車(以後3050形)のシートをセミクロスシートにするのが良いと思います。アクセス特急とは、上野駅から成田スカイアクセス線を経由する列車と羽田空港駅から都営浅草線を経由し、成田スカイアクセス線を経由する列車で運用されており、北総線内で急行運転を行っています。また、クロスシートにする部分も車端部のみでよいと思われます。この車端部をクロスシートにするやり方は乗り入れ先の同じアクセス特急に使用される京急の600形や同じ北総線を走る千葉ニュータウン鉄道の9100形も取り入れています。なので、利用客の混乱もあまりないと思います。ただし、3050形やそのベースとなっている京成3000形は全車ロングシートなのでその部分の設計を新しくしなければいけない可能性もあります。しかし、京成は2018年度の新形式の設計をすると発表していて、それに伴い従来の車両の見直しとして改造をすることは可能だと思います。
北総線 成田スカイアクセス線を走っている3050形
5.優先席の今後
優先席はそれを使いたい人々にとって重要ですが、優先席にも問題はあります。
その一つとして挙げられるのは「人々の意識の低下」でしょう。具体的には、優先席以外の座席では席を譲らなくてもいいのかということです。実際、優先席というところがあるのですからそこに行けばいいではないか、そう思う人もいるかもしれませんがそんなことはありません。体調が悪く立っているもやっとな人もいるでしょう。そういった人に近くにいる人が譲ることが必要でしょう。
つまり、優先席だから席を譲るのではなく、近くに困っていそうな人がいれば席を譲るというふうに人々の意識が変わっていけばよいと思います。そのために鉄道会社は駅構内などのポスターでそういった意識を持つことを呼びかけるのが良いと私は思います。ただ、そうなれば優先席は不要なのかと言われるとそんなことはないと思います。優先席がなくなればこれまでそれを必要としていた人に混乱を招くでしょうし人々が席を譲っても「優先席」があるという安心感は鉄道を利用する人々に重要だと思います。
6.まとめ
・ロングシートの車両が多く走っている中、長距離の需要があり、またラッシュ時の混雑率はさほど激しくない区間はセミクロスシートに変更するのが良いと思われる。
・その具体例として北総線の3050形の車端部をクロスシートにすることによってセミクロスシートにする。
・優先席以外の座席でも人々が席を譲るという意識を持たせるために鉄道会社はポスターなどでそういったことを呼びかけるのがよい。
・これからも優先席を必要とする人々のことを考えると、優先席は残すべきである。
7.終わりに
今回は初めての研究とあって気合を入れて書いてみましたが最後のほうはかなり曖昧になってしまい反省をする部分はまだまだあると思います。これからも精進してまいりたいと思いますので今後ともよろしくお願いします。
8.参考文献
・平成29年度 国土交通省 混雑率データ
http://www.mlit.go.jp/common/001245932.pdf
・2018年度 鉄道事業設備投資計画 – 京成電鉄
http://www.keisei.co.jp/information/files/info/20180508_202150308611.pdf
・平成29年度 乗降人員レポート 京成電鉄
http://www.n-h-c.jp/images/joukou/keiseiH29.pdf
・平成29年度 乗降人員レポート 東京都交通局
http://www.n-h-c.jp/images/joukou/tokouH29.pdf
・平成24年度 都市交通年報 (運輸政策研究機構)
おことわり:Web公開のため一部表現を変更させていただきました
掲載されている情報は研究公開当時のものです。現在とは若干異なる場合があります
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