豪華列車のいまとみらい

1.はじめに

 こんにちは。高校一年の**です。驚くことに、これが中学生として書く最後の研究となりました(ややこしいですが、これを書いている時点ではまだ中学生なのです。ご了承ください)。時間が経つのは早いですね。さて、今回は日本各地に存在する「豪華列車」について書いていきたいと思います。予めご了承ください。

 拙い文章ですが最後までお楽しみいただければ幸いです。

2.豪華列車の定義・概要

 豪華列車は通常の車両とは異なり、特定のテーマのもとに食事やサービスを提供する鉄道車両をさします。かつて「寝台特急」と呼ばれ、日本各地に存在した「北斗星」や「カシオペア」といった車両もこれに類します。近年、こういった寝台特急が数を減らしている一方で、今回主に述べるクルーズトレインのような観光列車が鉄道各社によって運行されるようになりました。

 豪華列車の定義を大きく2種類、「クルーズトレイン」と「観光列車」に分けようと思います。もっとも、厳密な定義ではないので、便宜上筆者が定めたものです。分け方の基準となるのが、宿泊の有無です。列車内で宿泊することができるのがクルーズトレイン、できないものは観光列車と呼ばれます。クルーズトレインの特徴として、始着駅が同じコースが設定されていることが挙げられます。季節や日程によってさまざまなコースが設定されていて、料金も異なります。一方で、観光列車の特徴は宿泊ができない一方、特定のテーマに沿ったバラエティ豊かな車両が運行されることにあります。

3.豪華列車の紹介

 この章では日本各地に存在する豪華列車を紹介していきます。

Ⅰクルーズトレイン

 まず、クルーズトレインについて紹介したいと思います。ここでは3種類紹介します。どれも高い料金がかかりますが、最高級のサービスが提供されます。この後触れる「観光列車」との違いは紹介する料金は1名当たりの料金です。

・TWILIGHT EXPRESS 瑞風

 JR西日本が運行するクルーズトレインです。平成27年度に廃止された「旧トワイライトエクスプレス」の伝統を受け継ぐという意味で名前が継承されました。10両編成で一番前と後ろの車両は展望席になっています。主に中国地方をまわるコースが5種類あります。

 ザ・スイート、ロイヤルツイン、ロイヤルシングルの3種類の客室が存在し、定員は30人です。料金は最も安い場合(1泊2日、ツインルームを2名1室で使用)で32,5000円です。

・TRAIN SUITE 四季島

 JR東日本が運行しているクルーズトレインです。「深遊探訪」をコンセプトに、乗客が四季の変化を感じることのできるようなデザインがなされています。

 上野駅を出発して東北や北海道方面を回ります。季節ごとに内容は異なりますが、コースは似たようなものになっています。先ほどのTWILIGHT EXPRESS 瑞風と同じように、10両編成のうち先頭車両と最後尾が展望車両となっています。スイート、デラックススイート、四季島スイートの3種類の客室があり、定員は34名です。料金は最も安い場合(1泊2日、スイートを2名1室で使用)で37,0000円です。

・ななつ星in九州

 JR九州が運行しているクルーズトレインです。7両編成で運行しています。九州をめぐるコースが特徴的で、「ななつ星」という名前も九州が7つの県で構成されていることが由来します。牽引車のDF200系7000番台は車両デザインで高い評価を受ける水戸岡鋭治氏が設計したものです。同じく水戸岡氏が設計したJR九州の観光列車である「36ぷらす3」と提携したコースも存在します。スイートとデラックススイートの2種類の客室が存在します。定員は30名です。料金は最も安い場合(1泊2日、スイートを2名1室で使用)で31,5000円です。

Ⅱ観光列車

 日本全国には様々な観光列車が存在します。すべて紹介するわけにはいきませんが、いくつか紹介したいと思います。

・THE ROYAL EXPRESS

 東急電鉄と伊豆急行線によって運行されている列車です。2017年にデビューしました。これも水戸岡氏の設計によるものです。「美しさ、煌めく旅。」をコンセプトに横浜駅から伊豆急下田駅までを走ります。車内で食事などを楽しめる片道プランのほか、1泊2日のプランも存在しますが、利用客は列車内ではなく宿に宿泊するため観光列車に区分けしました。片道プランの料金は2万5000円です。

・36ぷらす3

 「ななつ星in九州」のところでも少し触れました。これも水戸岡氏の設計です。曜日によって走行するルートが異なることが特徴で、すべてのルートを合わせると九州を一周しています。2020年10月16日に運行を開始したばかりの、非常に新しい観光車両です。

4.意義

 このような豪華列車が全国各地に存在する意義はなんでしょうか。最も大きな理由は、やはり集客ではないかと思います。前章で紹介したような豪華列車を一度に利用できる人はあまり多くありませんが、少ない利用客に積極的にPRを行うことで土地の知名度が上がり、多くの観光客を集めることが可能になると思います。

最も大きな意義:地方創生

 こういった豪華列車を運行するにはお金がかかります。なぜなら、車内の備品や食事にこだわり、その地域の特産の物を使おうとするからです。例えばTWILIGHT EXPRESS 瑞風では、備前焼の花入れや山口県萩市の特産である萩切子のグラス、島根県の特産の匹見わさびなどです。それは、地域の特産品を大事にするという気持ちを育てることにつながるでしょう。また、豪華列車は通常の特急車両などとは異なり、乗車そのものが目的となるため、法律上鉄道会社が企画した旅行商品に不特定多数の顧客が申し込むという形を取るので運賃が高くなってしまうのです。

5.今後に向けた展望

 前章で説明した通り、豪華列車の料金が高いのには訳があります。その一方で、あまり高いと利用客離れが起きてしまうのも事実です。運賃を少しでも安くすることは出来ないか、考えていきたいと思います。

単純に運賃を安くすることはできるのか

 豪華列車の運賃が高くなってしまう最も大きな原因は豪華列車が「高付加価値列車」としてとらえられていることにあると思います。つまり、視点を変えて考えるともう少し運賃を安くすることも可能ではないでしょうか。

 一方で運賃が高いことで特別感が高まるのも事実でしょう。普段はできないような贅沢をすることに対する満足感も大切にするべきかもしれません。

6.おわりに

 いかがでしたでしょうか。このように日本各地にクルーズトレインが存在します。いつか乗ってみたいものです。今回の研究は正直言って物足りないものになってしまったかなという反省があります。来年以降改善していきたいです。さて、話は変わりますが鉄道に興味のない私が研究班に入って早3年が経ちました。鉄道知識がなくても楽しく執筆することができていることは同輩はじめ班員が温かく接してくれているおかげです。この場を借りて御礼申し上げます。読者の皆様、これからもどうぞ応援よろしくお願いいたします!

 最後までお読みいただきありがとうございました!

7.参考文献

・TWILIGHT EXPRESS 瑞風 HP

https://twilightexpress-mizukaze.jp/

・TRAIN SUITE 四季島 HP

https://www.jreast.co.jp/shiki-shima/

・ななつ星in九州 HP

https://www.cruisetrain-sevenstars.jp/?id=header

・THE ROYAL EXPRESS HP

http://www.the-royalexpress.jp/

・36ぷらす3 HP

https://www.jrkyushu-36plus3.jp/

・鉄道新聞

https://tetsudo-shimbun.com/

・乗り物ニュース

https://trafficnews.jp/

・東洋経済オンライン

https://toyokeizai.net/

おことわり:Web公開のため一部表現を変更させていただきました。掲載されている情報は研究公開当時のものです。現在とは若干異なる場合があります。

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