1.はじめに
みなさんこんにちは。中3になりました**です。今回のテーマは「中央線の特急」です。今回は東京駅~名古屋駅間を結ぶ中央線の東側の区間、東京駅~塩尻駅間の中央東線を走る列車について考察していきたいと思います。拙い文章ですが最後までお読みいただければ幸いです。
2.中央線特急の種類
①あずさ・かいじ
特急「あずさ」号は新宿駅を基点(東京駅・千葉駅発着の列車有)として、塩尻駅から篠ノ井線に乗り入れ松本駅や大糸線の南小谷駅・白馬駅まで運転されます。特急「かいじ」号は「あずさ」号を補完する形で甲府駅・竜王駅まで運転されています。使用車両は2019年3月16日のダイヤ改正で「あずさ」号・「かいじ」号ともにすべてE353系に統一されました。基本編成と付属編成を連結した12両編成と、基本編成のみの9両編成で運行されます。また特急料金の形態や座席の指定方法も今回のダイヤ改正で新しくなりました。
また臨時に運転される「はまかいじ」号は横浜駅を起点として横浜線を経由して松本駅まで運転されています。
②はちおうじ・おうめ
特急「はちおうじ」号、「おうめ」号は東京駅~八王子・高尾駅間の「中央ライナー」と東京駅~青梅駅間の「青梅ライナー」のそれぞれに代わる特急として2019年3月16日のダイヤ改正で登場しました。いずれも平日のみの運転です。特急料金の形態は「あずさ」号と同じです。
③富士回遊
特急「富士回遊」号は上記のダイヤ改正で新しく登場した、特急列車です。新宿駅~河口湖駅の2往復が設定されています。また新宿駅~大月駅間は特急「かいじ」号と併結します。特急料金の形態は「あずさ」号と同じです。使用車両はE353系の付属編成で3両編成です。
東京駅に停車中のかいじ15号
中央線特急は側面表示では「指定席」と案内される
3.中央線特急の料金形態
先ほども説明したように2019年3月16日のダイヤ改正で、中央線特急の特急料金の形態が新しくなりました。この形態は列車を全席指定として「指定席特急券」を販売するとともに空席に着席することができる「座席未指定券」を販売する方式で、「指定席特急券」と「座席未指定券」は同額となります。
これらの説明だと分かりにくいと思うので、具体的な例を挙げます。下の図1を見てください。この図は平日に運転される特急「あずさ」15号の停車駅です。この列車で八王子駅~松本駅間を指定席特急券を利用して乗車する場合、ほかの乗客が新宿駅~八王子駅間は未指定特急券を利用し着席することができます。
4.中央線特急の問題点
(ⅰ)特急料金の問題
中央線特急の問題点とは一体なんでしょうか。このままではよくわからないと思われるので例をあげます。
これは実家が長野県辰野にある、千葉県西船橋在住のAさん(仮名)がお盆に特急列車を使って帰省するときにかかる交通費を示した図です。(時期・名前・実家・住所は例を挙げるためのもので、実際の人物とは関係ありません)Aさんは東京駅~塩尻駅は特急列車で移動するので、指定席特急券を購入しました。結果、特急列車に着席し快適に帰省することができました。
ではAさんが「座席未指定券」を購入していたらどうでしょうか。お盆の季節、日本の鉄道は帰省ラッシュで大変混雑します。またAさんの乗った特急列車も満員で座席に座ることができませんでした。
ここで、3章で書いたことを思い出してください。先ほど僕は「『指定席特急券』と『座席未指定券』は同額となります。」と書きました。つまり、図2の「指定席券:特急列車の座席指定料金」の矢印があってもなくても同額、要するにサービスが違えども料金は一緒ということになってしまいます。また乗車前に時間があれば駅の指定席券売機で追加料金無しで指定席特急券に変更ができます。いずれにせよ絶対に着席できるサービスと、着席できるかは運次第のサービスの料金が一緒なのはおかしいことです。これは改善すべきだと思います。
料金についてはもう一つ問題点があります。それはライナー料金の値上げです。2019年3月16日のダイヤ改正以前は「中央ライナー」・「青梅ライナー」が平日夜に走っていて、着席需要にこたえていましたが、この改正より「はちおうじ」・「おうめ」号がライナーの代わりに運行を開始したことは、1章でも書いた通りです。ですが、ライナーから特急に変わったため値上げが発生してしまいました。次の表をご覧ください。
※G…グリーン車利用時の料金
この表は中央・青梅ライナーのライナー券の値段と特急「はちおうじ」「おうめ」号の特急料金を示し、その差額を表したものです。事前料金は、指定席券売機やJR東日本のインターネット予約サービス「えきねっと」で購入する際の値段で、車内料金は特急列車の車内で購入する際の値段です。駅名の隣にある括弧内の数字は東京駅からの営業キロで、値段の隣にある括弧はグリーン車を利用するときの値段です。
上表からわかるとおり特急「はちおうじ」「おうめ」号は中央・青梅ライナーよりも値上がりしています。たとえば八王子に住んでいる人が毎週金曜日に特急「はちおうじ」を利用すると、次の表のようになり、1年間で差額が12480円になってしまいます。たまに利用する人にはあまり影響がありませんが、これらの列車をよく使う沿線住民には大きな影響があると思います。
ですから、僕はこの値上がりも改善すべきだと思います。
(ⅱ)ダイヤの問題
ここからは、列車のダイヤについて見ていきましょう。
①現行ダイヤの確認
※あずさ号→普通/かいじ号→太字/はちおうじ・おうめ号→斜体/富士回遊号→太字斜体
これらの図のうち1枚目は早朝~正午、2枚目は夕方~深夜の上りの時刻表で、3枚目は早朝~正午、4枚目は夕方~深夜の下りの時刻表です。
上りは特急「あずさ」号が30分~1時間間隔、「かいじ」号が「あずさ」号を補完する形で1~2
時間間隔で運行されていて、早朝の通勤時間帯には特急「はちおうじ」が2本、「おうめ」が1本運行されています。
下りの特急は新宿駅を00分発、30分発、00分発...のように30分間隔で運行しています。特急「あずさ」「かいじ」号は上りとほぼ同じ30分間隔で運行され、夕方から深夜遅くにかけて特急「はちおうじ」が6本「おうめ」号が1本運行されています。また千葉県千葉駅から長野県南小谷駅間341.6kmを5時間4分かけて走破する「あずさ」3号も運行されています。
②問題提起
では一体何が問題なのでしょうか。
1つ目は特急「富士回遊」号の運転時間の偏りが挙げられます。「富士回遊」号は上りが午後に2本、下りは午前に2本のみの運行です。また夏期に臨時列車として「富士回遊」号が上下1本ずつ増発されますが、上りが午後、下りは午前に運行されます。ですから、午前中に河口湖駅から東京方面に帰る旅程が組みにくいと思われます。
2つ目は上りの特急「はちおうじ」「おうめ」号の運転時間が早いことです。先ほどの時刻表の1枚目をご覧ください。特急「はちおうじ」2・4号と「おうめ」2号は3本とも始発駅を6時台に出発をしていて、東京駅に8時前に到着してしまいます。次の表をご覧ください。
これは中央快速線の時間帯別混雑率を表したものです。この表によると最混雑時間帯は
7:55~8:55で上りの特急「はちおうじ」「おうめ」の東京駅到着時間よりも遅いことがわかります。これでは「混雑時間帯に座って通勤したい」というサラリーマンの方などの要望に応えきれてないと思います。
これは7月15日の21時に参照した7月16日の中央線特急の空席状況です。特急「はちおうじ」2号は空席が有りますが、「はちおうじ」4号は前日の夜の時点ですでに満席です。これは「はちおうじ」4号のほうが中央線の最混雑時間帯に近いためと考えられます。よって特急「はちおうじ」「おうめ」号はもう少し遅い時間に運転したほうが良いと思います。
東京駅で同時に入線・発車する中央線快速
中央線でも運行される特急「成田エクスプレス」
5.問題点の解決
Ⅰ特急料金が座席指定の有無に拘わらず同一であること
これの解決策としては、座席未指定券の値段を下げ指定席券売機で座席指定を受けるときに追加料金を支払う仕組みにすればよいと思います。
Ⅱライナーから特急の格上げによる値上げ
これの解決策は2通り考えられます。1つは特急「はちおうじ」「おうめ」号のみ座席未指定券を販売せず「中央・青梅ライナー」のライナー券と同じ値段で指定席特急券を発売する方法です。しかしこの方法では「中央・青梅ライナー」を特急に格上げした意味がなくなってしまいます。
2つ目は特急「はちおうじ」「おうめ」号専用の座席未指定券の回数券を発売するという方法です。この回数券を指定席券売機や車内検札で座席指定を受けさせられるようにすることで着席して通勤、帰宅ができます。例えば10枚綴りの「はちおうじ」号用未指定特急券の回数券を2割引で販売すると6000円になり、4章で挙げたように毎週金曜日に特急に乗車するとするならば、回数券を使わないよりも1年間で6000円お得になります。この方法でも中央ライナーを使っていた時よりも6840円多くかかってしまいますが、頻繁に利用する沿線住民の負担は幾分か減らせると思います。
Ⅲ富士回遊の運転時間帯の偏り
なぜ富士回遊号の運行時間に偏りがあるのかという疑問の答えは、富士急行線内にすでに特急列車が運転されているからだと思います。つまりこの問題の解決策は、単に特急「富士回遊」号を増発することではなく、中央線の特急と接続をとれるように富士急行線で運行される「富士登山電車」2号と「富士山ビュー特急」2号を大月駅の中央線ホームである4番線に入線させるようにすればいいのです。これによって、富士急行線の特急列車から中央線特急に対面乗換ができるようになります。
Ⅳ上り特急「はちおうじ」「おうめ」号の運転時間帯
先ほど「特急「はちおうじ」「おうめ」号はもう少し遅い時間に運転したほうが良い」と書きましたが、結論から言って中央線の最混雑時間帯にこれ以上列車を増発するのはほぼ不可能です。中央快速線では最混雑時間帯に2~4分間隔で列車が運行されているためこれ以上列車を増やすことができません。ですが、通勤特快の発車後は比較的間隔があいているのでこの隙間に特急「はちおうじ」号を1本かろうじて運行できると思います。
6.あとがき
今回の研究はいかがでしたか?今回は文化祭号ということもあって、かなり力を入れて執筆したつもりですが、収まりが悪い感じになってしまいました。遅くなりましたが打越祭と鉃道研究部にお越しいただきありがとうございます。展示してある壁研究や、模型の展示、クイズなどお楽しみいただけたのなら幸いです。拙い文章でしたが最後までお読みいただきありがとうございました。
7.参考
・JR東日本ホームページ
https://www.jreast.co.jp/
・JRサイバーステーション
https://www1.jr.cyberstation.ne.jp/
・街画コム 「中央・青梅ライナー初めての乗り方!料金は?停車駅は?」
https://machi-ga.com/
・国土交通省 「東京圏における主要区間等の混雑の見える化」
https://www.mlit.go.jp/
・HyperDia Timetable and Route Search in Japan.
http://www.hyperdia.com/
・小型全国時刻表2019 6月号 (株)交通新聞社 発行
おことわり:Web公開のため一部表現を変更させていただきました。掲載されている情報は研究公開当時のものです。現在とは若干異なる場合があります。
0コメント